高齢者の認知症と一口にいっても、様々なタイプがあることをご存じですか?その中のひとつである前頭側頭型認知症というタイプの認知症は、脳の前頭葉が委縮してしまうことで起きる認知症の症状です。どのような行動をとってしまうかというと「同じ時間に同じことをしていないといられない」といったものが多いです。「どんな場面でも、自分のルーティンに従ってしまう」という行動が多く見られます。
この症状は、50代から60代と比較的若い年齢の人に多く見られるため、周囲や家族は徘徊を徘徊とも思わず、おおげさにとらえることがなく、認知症だということに気付くのが遅れるパターンも多いです。まだ年が若くても「おや?おかしいぞ?」と思うことが増えたら、前頭側頭型認知症を疑っても良いかもしれません。前述した通り、「同じ時間に決まった行動をしたい」というケースが多いので、その行動を利用して、生活をしてもらうと、周囲の人たちも安心して生活できるようになるでしょう。
もちろん、施設やデイサービスなどを利用してみるのも良いでしょう。「月〜金はデイサービス」など、ルーティンを決めてしまえば、あとは普通の生活を送れる場合も多いです。家族やまわりの緊張や不安は本人にも伝わってしまうものです。そうすることで、より症状の悪化などがみられる可能性もあるので、なるべく今まで通りに、本人が安心して毎日の生活できるような取り組みやサポートをしてあげましょう。