徘徊を見つけたら?正しい対処法は?

もし、認知症の親が玄関から出ていこうとしていたら…、外を徘徊しているところを見つけたら…。あなたはどうしますか?無理にでも連れ戻そうとしますか?その場で叱りつけますか?どちらも対処法としては×です。

徘徊している認知症患者を無理やり連れ戻そうとしても、激しい抵抗に合うだけです。素直に従ってはくれません。認知症患者にとっては、出かけるだけの正当な理由があり、阻止される覚えはないからです。反対すればするほど、相手も頑なになります。対処法としては、無理に引き留めず、時間や状況に余裕があるならば、寄り添って気持ちを落ち着かせることが最善です。「どこに行くの?」「何しに行くの?」と、優しく外へ出た理由を聞き出し、どこへ行こうとしているのか知りましょう。

理由が分かったら、すぐに否定せず「じゃあ、一緒に行きましょう」と、しばらく一緒に歩いてみましょう。しばらく歩くと気持ちが落ち着いてくるはずです。頃合いを見て「疲れたから帰りましょう」「家に寄ってお茶を飲んでいきませんか?」など切り出して、家へと誘導しましょう。あるいは、疲れた様子が見えたら、他のことに興味を移すのもいいでしょう。「今日は夕飯に○○を作る予定だった。手伝ってもらえますか?」「家に帰って、洗濯物を入れないとね」のように、気をそらすと案外、素直に帰ってくれます。認知症だからといって、すべてを忘れたわけでも、感情がなくなったわけでもありません。相手を尊重して、寄り添う気持ちを見せると、たいていは物事がスムーズに行きます。